光学顕微鏡等による 《絵画・X線・テレビ》

拡大観察、紫外線による蛍光作用により、ニス、油、顔料等、それぞれの材料特有の蛍光を観察し、材料や補修部分を推定し、赤外線の吸収作用を応用して、油煙等に汚れた墨書を解読する。

とくに赤外テレビジョンは、赤外線フィルムより広い近赤外領域に感度をもつ赤外線センサーを備えたカメラを用い、ブラウン管上に直接その影響をとらえることが可能で、材質によって異なる吸収作用から銘文の判読、下絵の解明等に利用される。

X線の透過写真は、絵画、彫刻、工芸品等の構造をはじめ、顔料の塗り重ね、筆のタッチ、補修等を探るのに用いられる。

材質と厚さによって硬・軟X線を使い分け、さらに厚みのある金属製品には、ラジオ・アイソトープのγ線を用いて鋳造、鍛造等の技法が明らかにされる。

一方、化学成分や組成を明らかにする分析手段がある。

文化財には非破壊的方法による材質調査が大原則で、蛍光X線分析、X線回折分析が用いられる。

前者は元素分析で、後者は結晶構造から化合物を同定する方法である。また極微量の試料が採取できた場合は、放射化分析、発光分光分析、質量分析計による同位体分析等が行われ、微量成分の特徴が解明されて材料の時代や産地の推定が可能となる。

これらの方法で、ある時代に使われていた材料と製作技法にかなった作品であることが、複数の方法で総合的に判定できれば、それは本物であると判断される。
update:2010年01月31日